『大塚家具に未来はあるのか』

父娘の対決で注目を集めた大塚家具。3月の売上は前年同月比で37.8%の減少とのこと。
この状態が続くとどうなるのか、大塚家具の2014年度の有価証券報告書を見ながら考えてみよう。

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まず、会社というものは負債の金額が資産の金額を超えると、負債を返せなくなり、だいたいは倒産する。大塚家具は優良な企業で、2014年12月31日(前期末)現在で、負債よりも資産の方が347億円ほど多い(これを純資産という)。つまり、これを使い果たすと、財務分析上は「危ない」ということになる。

さて、もしも仮に、今年全体の売上高が昨年と比べて37.8%下がったとしよう。
すると、売上高(収益)は約210億円減る。しかし、その分、商品を仕入れる必要性も減るので売上原価(費用)も94億円ほど減ると考えられる。したがって、結果的に116億円ほど利益が減少するだろう。前期末で4億円ほどの営業損失を計上しており、それに116億円が加わり、この時点で120億円の損失になる。

さらに、従業員の給料を上げるとの発表もあり、これを5%とすると5億円弱のコストアップ。また配当を倍にするとのことで、7億円強のマイナスになり、合計すると132億円。
このままいくと1年間で132億円の純資産を犠牲にすることになる。
もっともこの間に何の手も打たなければの話だが、単純に計算すると347億円の純資産を食いつぶすまでの残された時間は、約2年半という計算になる。

父との戦いに勝利した社長(娘)は、この間に会員制をやめて低価格帯、中価格帯に舵を切るという。この価格帯で十分な利益を確保できるのだろうか。
この価格帯で大塚家具の約7倍の売上を持つニトリの2013年度の有価証券報告書を見てみよう(本当はこちらも2014年度のものを使いたかったが、執筆時にまだ提出されていなかったので2013年度で代用。悪しからず)。

ニトリの原価率は約48%と、大塚家具の約45%よりも若干高いが、営業利益率(売上1円から得られる営業利益)は16%も確保している。ニトリの安さに驚いて「お値段異常(笑)」などという者もいるが、十分に正常である。つまり、ニトリのことを考えれば低価格帯や中価格帯でも十分に利益は出せることを示している。

こうしてみていくと、社長の示した道の先が、行き止まりになっているということではなさそうではあるが、立地条件が異なり、駐車場を広く持たない店舗が多い大塚家具が、ニトリのようにやれるかが問題になりそうである。

(ネットスクール株式会社 桑原)

株式会社大塚家具
株式会社大塚家具 2014年度有価証券報告書(PDF)
株式会社ニトリ
株式会社ニトリ 2013年度有価証券報告書(PDF)

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