“売れすぎ”もリスクの1つ?

夏の暑い時期、脱水症状を防ぐためにも、そして気分転換にも、よく冷えた飲み物が欲しくなります。
一昔前では見かけなかった味付き(フレーバー付き)の水なども最近でバリエーションが増え、ソフトドリンク業界も新製品が続々と登場しています。
そして、新製品は時として多くの人の興味を惹くものであるため、登場と同時に一躍人気商品となることもあります。

それで思い出されるのが、昨年の春にサントリー食品インターナショナル株式会社(以下、サントリー食品)から販売された新商品の「レモンジーナ」や「アルプスの天然水&ヨーグリーナ」が発売早々に売れすぎたため、品薄で出荷停止になったというニュースです。

立て続けに2つの新製品が発売早々の品薄となり、大きな話題にもなったため、インターネットや各種ニュースサイトでは『品薄商法』や『あおり商法』などと穿った見方をされる事態にもなってしまいました。

実際には、販売元であるサントリー食品は「品薄商法ではない」とインターネットでの反応を否定していますが、このように消費者に思われてしまうのは、事実か否かに関わらず企業としてはマイナスイメージとなってしまいます。

その上、品薄で出荷停止になるほどの需要があった訳ですから、もっと沢山の在庫を用意していればもっと販売できたことなるため、みすみす販売の機会を逸してしまったと見ることもできます。

この話題は平成27年(2015年)4月頃の話題であったためか、平成26年4月から平成27年3月までの期間を対象としたサントリー食品の第6期の有価証券報告書(有報)では、平成27年6月に提出されたにも関わらず、ほとんど触れられていません。

しかし、その次の期である平成27年4月から平成28年3月までを対象にした、サントリー食品の第7期の有報内では、第6期の有報には記載されていなかった以下の文章が【事業等のリスク】に加わっています。

「当社グループは、商品の供給に関して、消費者の嗜好等を踏まえて需要を予測し、需給計画を立案していますが、当社グループの予測を超える需要が発生した場合等、需要に適切に応じられない可能性があります。この場合、当社グループは販売機会を喪失し、また、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、これらにより経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。」

これまでの流れを踏まえて考えると、おそらく昨春の品薄騒動を受けて書き加えられた文章ではないだろうかと推測できるのではないでしょうか。

販売不振で企業にリスクが及ぶのは当然ですが、売れすぎてもリスクになる世の中というのも不思議ですが、SNSの普及などが従来とは異なる商品の需要を掘り起こす結果、需要予測が難しくなっていることの表れなのかもしれません。

ネットスクール株式会社 藤本拓也)

サントリー食品インターナショナル株式会社

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