鳥貴族の出店費用は焼き鳥何本分?

夏が近づくと、ビールが恋しくなる方も多いのではないでしょうか。
そんなビールのお供の人気メニューである焼き鳥を扱う上場企業で、勢いのある株式会社鳥貴族(以下、「鳥貴族」)の有価証券報告書(有報)を、今回のコラムでは見て行きましょう。

鳥貴族の有報の【設備の新設、除却等の計画】を見ると、主要店舗を含めた新規出店への投資計画が金額とともに記載されています。 これを見ると、東京都心の「渋谷西口店」の出店投資額が4,250万円ほど、「水道橋西口店」が4,950万円ほどとなっています。ただ、これは東京都心という立地を考えると、比較的高い方でしょう。そこばかりを見ても極端になりそうなので、平均値で考えましょう。

新規出店計画の表の一番下には、1年間で出店予定という50店舗の投資額が17億5,000万円と書かれているので、単純に50で割ると3,500万円が1店舗当たりの新規出店費用ということになります。
ただ、この金額は店舗や設備などに掛かる投資額のみです、実際にはこの他に新規にアルバイトを募集する費用や、新規開店を宣伝する広告費なども掛かるでしょうから、このコラムではキリの良い金額として、とりあえず4,000万円を新規出店費用とみなして考えることにしましょう。

鳥貴族といえば、実際に利用したり、お店の前を通ったりしたことがある方は有報を読むまでもなくご存知かと思いますが、税抜き価格で『280円均一』のメニューがウリの居酒屋チェーンです。
焼き鳥1本が(もちろん、他のメニューもですが)280円均一ですから、単純計算すると新規出店費用の4,000万円を280円で割って、鳥貴族の新規出店費用は焼き鳥換算で約14万3,000本分ということになります。

しかし、この計算では焼き鳥の材料費なども新規出店費用に充てることになるので、適当とはいえません。
せめて、材料費や飲み物の仕入代などを引いた粗利(あらり)と呼ばれる金額で換算しておきましょう。

では、このスタンプはどれくらいの頻度で使われるのでしょうか。
実はこの情報も、有価証券届出書の同じ場所を見ると分かります。

有報にある損益計算書の記載のうち、粗利に相当する金額は「売上総利益」として載っています。
平成27年7月決算の数字を見ると、売上高が約186.6億円であるのに対し、粗利を示す売上総利益が約128億円なので、売上高に対する粗利は約68.5%、すなわち280円の焼き鳥に対して192円が材料費などを引いた粗利の金額ということになります。

本来は、この粗利から人件費や水道光熱費などが支払われる訳ですが、そこまで考えると複雑になるので、焼き鳥1本の粗利192円でまずは出店費用の4,000万円をまかなうことにしましょう。すると、4,000万円を192円で割って、焼き鳥約20万8,000本の粗利で新規出店費用がまかなえる計算となります。

なお、実際には焼き鳥だけでなくビールなどの飲み物や焼き鳥以外のメニューもあるので、当然ながら1店舗で焼き鳥だけを20万本以上売らないといけない訳ではありません。
また、財務諸表の注記事項という部分をみると、建物の耐用年数は10~15年と書かれています。仮に10年でまかなえばよいと考えれば1年あたり2万800本、365日で割れば1日あたり57本(焼き鳥以外も含めて考えれば57品)以上の売上で出店費用がまかなえる計算なので、鳥貴族の人気や、居酒屋で注文する品数を考えれば、出店費用をまかなうのは全然難しくない数字かもしれません。
この辺りの数字が、急拡大する鳥貴族の秘密なのかもしれません。

LINEを使っている皆さん、日ごろのスタンプの利用状況と比べてどのように感じましたか?(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

株式会社鳥貴族

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