スキー場って夏場はどうしているの?

季節は間もなく夏。夏といえば海辺で海水浴や、川原でバーベキュー、花火大会などといったイメージだと思います。では反対に、夏と最も縁が遠いと思われるのが「スキー場」ではないでしょうか。
雪が積もる冬には多くのスキーヤーが訪れるスキー場。でも、スキー場のリフトなどは冬しか存在しないという訳ではありませんから、当然、夏にもスキー場の設備などが残っているはずです。
では、夏のスキー場はどうなっているのでしょうか。今回はこのテーマについて日本スキー場開発株式会社(以下、「スキー場開発」)という上場企業の第10期(平成26年8月1日‐平成27年7月31日)の有価証券報告書(有報)を見ながら、真夏(オフシーズン)のスキー場がどうなっているのかを考えてみましょう。

まず、当然ながらスキー場を運営している会社の書き入れ時は冬のスキーシーズンです。
スキー場開発の有報に記載されている四半期情報によれば、年間の売上高588億円のうち8割以上に当たる489億円が11月から翌年4月までの第2・第3四半期に集中していることや、その時期に利益を出して残りの第1・第4四半期では赤字が出ていることが分かります。

ただし、赤字とはいえ真夏の時期を挟む5月から10月でも100億円ほどの売上高を計上しています。いったい、どんなことで売上を稼いでいるのでしょうか。

スキー場は山の斜面に設けられ、ホテルなども併設されていることが一般的です。また、スキーやスノーボードで斜面を滑り降りるためには、山の上の方へ簡単に登るためのリフトがあるはずです。
【事業の内容】によれば、スキー場を営業している期間である「ウィンターシーズン」以外の期間を「グリーンシーズン」と呼んでおり、夏にあたるグリーンシーズンのスキー場では、ゴンドラやロープウェイの終点において、山頂から広がる雄大な景色や自然の植物を楽しんでもらったり、スキー場に併設された宿泊施設を自然体験学習やスポーツ関係者の合宿に活用してもらったりして売上を稼いでいることが分かります。

では、実際にどれくらいの人がスキーシーズンではない夏場にスキー場を訪れているのでしょうか。

スキー場として営業しているウィンターシーズンに、スキー場開発が保有するスキー場7箇所を訪れる人は、【業績等の概要】によれば合計でおよそ155万人。この数字はリフト券の販売数に基づいたものらしいので、スキーを楽しむためにリフトを使って山を昇った人と言えるでしょう。
それに対して、グリーンシーズンにリフトやゴンドラで山を昇った人は4つの施設で合計24万人とのこと。
冬場の利用者の6分の1以下ですが、そもそも営業している施設の数が違うので、これだけでは単純な比較ができません。
そこで、有報に載っている施設の名前を頼りに、もう少し詳しい比較もしてみましょう。

すると、長野県の白馬にある『栂池(つがいけ)高原スキー場』は、ウィンターシーズンの利用者が24万6千人であるのに対し、グリーンシーズン(『ネイチャーワールド栂池高原』という名称になっています)の利用者が9万2千人とのことなので、冬場の3分の1以上に相当する人が夏場のスキー場に訪れていることが分かります。考えてみれば、スキー場の多くは自然豊かな場所の割には、交通の便や宿泊施設も整っており、1年を通して手軽に自然を楽しめるスポットなのかもしれません。皆さんも、今年の夏に「真夏のスキー場」に行ってみると面白いかもしれません。
ネットスクール株式会社 藤本拓也)

日本スキー場開発株式会社

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