“母の日”と“父の日” 上場企業の反応の違いとは?

5月の第2日曜日といえば“母の日”、そして翌6月の第3日曜日といえば“父の日”です。
日ごろの感謝の気持ちを込めて、プレゼントを贈ったり、普段とは違う豪華な食事に招待したりという方も多いのではないでしょうか。

そのようなイベントは、往々にして「この時期がビジネスチャンス」と考えている企業があるもので、このコラムでも過去には“ハロウィン”や“バレンタインデー”に関して、上場企業が作成する有価証券報告書(有報)での扱いの違いや動向を記事にしたことがあります。
今回のコラムは、せっかくなので“母の日”と“父の日”に関して分析をしてみましょう。

有報を閲覧することができる金融庁のEDINETというサイトでは、企業名だけではなく中身の文章に対してもキーワードを入力して検索(全文検索)することができます。
検索可能な範囲で最も古い平成23年(2011年)まで遡って検索をしたいところですが、これで全文検索を行うと非常に処理が重くなってしまうため、今回は【事業の状況】という部分に検索範囲を絞ったうえで検索をしてみました。

すると、平成23年以降に提出された有報のうち、“母の日”というキーワードが含まれている有報が25件もヒットするに対し、“父の日”というキーワードが含まれている有報は12件しかヒットしません。
この結果だけを見ると「父の日」が不憫にも思えてきそうですが、もう少しきちんと中身を見てみると面白い傾向が見えてきます。

上場企業は必ず年1回、有報の提出が義務付けられているため、平成23年からの約4年半の間に各社とも複数の有報を提出しています。1社が同じキーワードを毎年の有報に入れていれば、それだけでヒット数が増えてしまうので、その重複を排除してみましょう。

その結果は、“母の日”というキーワードを1度でも含んだ有報を平成23年以降に提出した企業が14社であるのに対し、“父の日” というキーワードを1度でも含んだ有報を平成23年以降に提出した企業は11社と、それほど大きな差は無いことが分かります。

“母の日”といえばカーネーションが贈り物の定番です。特定の時期に特定の花が贈られるというのは、1年を通してもそれほど多くないのか、「株式会社大田花き」や「株式会社ユニバーサル園芸社」など、花を扱う企業がほぼ毎年のように“母の日”について有報内で触れているため、検索するとヒット数が増えているようです。

一方の“父の日”は、“母の日”のカーネーションほど世間的に「コレ!」といって決まった贈り物がありません。そのためか、有報で“父の日”に触れる企業は毎年のように顔ぶれが変わっています。ある年は焼肉の「株式会社安楽亭」、またある年は「キユーピー株式会社」のおつまみ、そのまた別の年は「日立工機株式会社」の工具など、父の日に対して力を入れる企業やものが入れ替わっているのが特徴的です。

ただ、気になるのは平成27年に提出された有報の中に“父の日”というキーワードでヒットするものが無いということ…。やはり、母の日にとってのカーネーションのような存在が必要なのかもしれません。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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