卒業アルバムには何にお金が掛かっている?

3月といえば、卒業シーズン。そして、卒業シーズンといえば卒業アルバムです。
この時期になると、色んなタイミングで荒井由実(現・松任谷由実)の『卒業写真』を耳にすることも増えますよね。

さて、この卒業アルバムの制作売上が会社全体の売上高の4分の3以上を占める上場会社をご存知でしょうか。それが、筆者の地元、福岡県北九州市に本社を置く株式会社マツモト(以下、「マツモト」です)。
同社のホームページには、「全国6000校以上、幼稚園から大学までのスクールアルバム実績のある卒業アルバムメーカーです」とあるので、皆さんがお持ちの卒業アルバムの中にも、マツモト製のものがあるかもしれません。

東証JASDAQ市場に上場している同社の第27期(平成26年5月1日‐平成27年4月30日)の有価証券報告書(有報)によれば、会社全体の売上高が約27億円に対して、卒業アルバムを中心とした学校アルバムの売上高が約20億円という規模だそうです。

学校アルバムの売上高が全体の4分の3以上を占めているということは、学校アルバムのコスト構造が会社全体のコスト構造に対して、それ以外のコスト構造よりも大きな影響を与えているはずです。

という訳で、少々強引かもしれませんが、マツモトの有報を使って、卒業アルバムのコスト構造を探ってみましょう。

まず、そもそも皆さんが卒業アルバムに対して支払ったお金のうち、制作にかかったのはどれくらいかを見てみましょう。
これは、損益計算書の「売上高」と「売上原価」を比較することで簡単に分かります。
マツモトの第27期の売上高は上にも書いたとおり約27億円。それに対して、販売した品物の制作コストに相当する「売上原価」は約22億円。したがって、皆さんが卒業アルバムに対して支払ったお金のおよそ80%が制作コストに相当すると考えられます。

では、その内訳はどうなっているのでしょうか。
これについては、損益計算書の下にある「製造原価明細書」を見ることで分かります。
すると、第27期のコストのうち、印刷に使う紙やインク代などと考えられる材料費が約26%、制作に携わる人たちの人件費などから構成される労務費が約45%、その他の経費が約29%と書かれています。

その他の経費には、外注費や印刷機械などの減価償却費(使用によって生じる資産価値の減少を費用として計上したもの)も多分に含まれますが、それらを含めても労務費の割合とは大きな差があります。

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p style=”text-align: right;”>もしかしたら、一生の記念となる卒業アルバムには、まだまだ機械では代用できない「学校生活の思い出をきちんと残してあげたい」という制作者の想いと手間が注がれているのかもしれません。
「コスト」のことを考えること自体がおかしな話かもしれませんが、そんな想いがあるのかもしれないと考えながら卒業アルバムを見返すのも良いのではないでしょうか。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

株式会社マツモト

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