SMAP解散騒動はレコード会社にとって晴天の霹靂?(上)

 

昨年の5月、このコラムで「Perfumeがサザンオールスターズを追い抜いた時」というタイトルの記事を書きました。サザンオールスターズや福山雅治などが所属するアミューズ株式会社(以下、「アミューズ」)の有価証券報告書(有報)の中にある【事業上等のリスク】に関する記事です。

華やかな芸能界で活躍するアーティスト。ブレイクして人気者になれば、その経済効果は莫大なものになります。しかし、それはそのアーティストだからこそであって、誰かが取って代われるものではありません。
そのため、今は収益の重要な柱となっているアーティストに活動休止や解散、スキャンダルなどがあった場合には、所属する企業の業績に大きな影響を与えることから、アミューズの有報ではそれを事業上のリスクとして掲載しているという記事でした。

さて、アーティストの活動休止や解散といえば、2016年1月13日に「SMAP解散」という衝撃的なニュースが日本中を駆け巡りました。

所属事務所であるジャニーズ事務所は上場していないので、当然、有報も作成されていません。しかし、SMAPのCDをリリースしているレコード会社「ビクターエンタテインメント」を傘下に抱える株式会社JVCケンウッド(以下、「JVCケンウッド」)は上場しているため、有報を作成・公開しています。
今回は、以前も取り上げたアミューズと、SMAP解散騒動に関連するJVCケンウッドの有報を見比べてみましょう。

実際に、JVCケンウッドの第7期(平成26年4月1日‐平成27年3月31日)の有報を見ると、「SMAP」という文字が登場するのは、有報の【業績等の概要】の部分です。
CD・DVDといったパッケージソフトの製造・販売を行う「ソフト&エンターテインメントセグメント」の業績について述べられた記載の中で、「ビクターエンタテインメントの主なヒット作品」という項目の筆頭として、SMAPのCDやコンサートツアーのDVDなどのタイトルが列挙されています。JVCケンウッドにとって、SMAPの存在はエンターテイメント事業にとって非常に重要なことがうかがいしれます。

ということは、JVCケンウッドにとって、アーティストの活動休止や解散はアミューズと同様に大きなリスクとなるはずです。そこで、JVCケンウッドの【事業上等のリスク】を見てみると……、アミューズのようなアーティストの活動休止や解散に伴うリスクが書かれていません。

「もしかして、JVCケンウッドにとってSMAPの解散は“晴天の霹靂”だったのでは?」と考えたくなるところですが、どうやらこれには理由がありそうです。

この点について、有報に掲載されている数字を元に定量的な分析を行っていきたいのですが、長くなりそうなので、来週のコラムで考えてみましょう。
それまで少々お待ち下さい。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

株式会社JVCケンウッド

アミューズ株式会社

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