イソジンを手放す明治。ブルガリアヨーグルトは…?

ヨーグルトイメージ「ただいまのあとは~」で始まるCMソングでおなじみのうがい薬「イソジン」。
このCMソングとカバのキャラクターを記憶している方は多いと思いますが、この「イソジン」がチョコレートやブルガリアヨーグルトで有名な明治ホールディングス株式会社(以下、「明治」)のグループ会社であるMeiji Seika ファルマから発売されていることまでご存知の方となると、それほど多くないのかもしれません。

そんな「イソジン」についてのニュースが、2015年12月9日に飛び込んできました。それは、明治グループが「イソジン」ブランドを2016年3月末で手放すというニュースです。
理由は、「イソジン」ブランドの製造販売権に関するライセンス契約を結んでいるオランダの製薬会社ムンディファーマ社との契約が切れるため、ということだそうです。

2016年4月以降、明治グループが手放す「イソジン」ブランドのうがい薬自体は塩野義製薬株式会社から販売されるということですが、筆者としては、あのCMソングで有名な「イソジン」ブランドの裏にこのようなライセンス契約が存在したことが、一番驚いたことでした。

このニュースで「へぇ~」というだけではコラムになりませんので、有価証券報告書(有報)をみて、この契約の存在を確かめてみましょう。

有報では、重要な契約に関する情報を記載する【経営上の重要な契約等】というセクションが設けられています。
業務提携や合弁、特許を含む重要な技術導入などの契約のうち、企業の経営において重要なものは、投資家にその存在を知らせるために、有報に載せることになっています。

どんな契約なのかを確かめるため、明治の第6期(平成26年4月1日‐平成27年3月31日)の有報の【経営上の重要な契約等】を見ますが、実はこの部分に「イソジン」の文字はどこにもありません。
しかし、諦めずにニュースに登場した契約相手のムンディファーマ社という名前を元に探すと、それっぽいのが見つかります。しかも、契約の発効年月は「平成25年3月31日まで。以後3年間毎の自動延長。」となっています。平成25年3月31日から3年間延長すれば、平成28年(2016年)3月31日に期限が切れるという点も、ニュースの内容に一致しています。

とはいえ、契約の目的が「ポビドン沃度の原末購入並びにその製剤及び販売の実施、商標の使用に関する許諾契約。」とのこと。聞き慣れない謎の『ポビドン沃度』という用語をインターネットで検索し、明治「イソジン」のホームページにある「ポビドンヨードってなに?」という説明がヒットすることで、これがあの「イソジン」に使われている消毒剤の名称であることが分かります。

ちなみに、有報を見ると明治グループだけでも技術援助関係の契約を世界各国の企業と結んでいることが分かります。
有名な「ブルガリアヨーグルト」も、ブルガリアのLBブルガリクム社から製造技術導入契約を結んでいることも分かります。期間は平成12年5月から平成32年4月までの20年間。ということは、「ブルガリアヨーグルト」も5年後には「イソジン」と同じ運命を辿る可能性があるということでしょうか…?

ネットスクール株式会社 藤本拓也)

明治ホールディングス株式会社

関連記事