有報でノーベル賞を支える技術を探る

宇宙イメージ2015年のノーベル賞は、生理学・医学賞と物理学賞で日本人が受賞したというニュースが2日連続飛び込んで話題になりました。

このノーベル物理学賞受賞のニュースで話題になった上場企業があります。それが浜松ホトニクス株式会社(以下、浜松ホトニクス)です。世界で初めてニュートリノの存在を観測した、岐阜県のカミオカンデ(その後継となるスーパーカミオカンデ)という観測装置に大量に設置された光電子倍増管という部品を製造した会社です。

同社のホームページを見ると、今年受賞した梶田教授へのお祝いコメントのほか、ニュートリノやカミオカンデに関する説明、それを観測するために必要となった光電子倍増管の開発ストーリーなどを見ることができます。
ニュートリノの観測のみならず、2013年のノーベル賞で話題になったヒッグス粒子や2012年のノーベル賞で話題になったiPS細胞に関する学術研究に必要な機器も研究・開発を行っているようで、同社の技術研究が、日本のみならず世界各国のノーベル賞クラスの研究を支えていることが分かります。

さて、このような研究開発の内容ですが、このコラムで扱っている有価証券報告書(有報)にも、「事業の内容」という章の中に「研究開発活動」というセクションを設けることになっており、上場企業の各社は1年間に行われた研究開発に関する内容を投資家に説明することになっています。

浜松ホトニクスの有報については、同社のホームページで第61期(2008年9月期)まで遡って閲覧することができます。
例えば、今年のノーベル物理学賞のテーマとなった「ニュートリノ」に関しては、第65期(2012年9月期)と第64期(2011年9月期)にニュートリノの光を検出する次世代型の検出機の研究開発に関する説明が載っており、従来の検出器と比べた性能の向上に関することも記載されています(専門外の人間にとっては、内容を理解するのは難しいのですが…)。

ニュートリノの光の検出器に関する「電子管事業」のほか、「光半導体事業」や「画像計測機器事業」、「各事業区分に配賦できない基礎的研究」として、様々な研究内容が同社の有報に毎年掲載されています。

ちなみに、2014年9月期の有報によれば、すべての事業分野の1年分の研究開発費を総計すると、約110億円。同社の1年間の売上高が約1,120億円なので、売上高の10%を研究開発活動に費やしていることが分かります。

ただ、それだけ研究開発活動に振り向けているからこそ、ノーベル賞クラスの研究を支えるだけの成果に繋がっているのかもしれません。

同社の有報には、未来のノーベル賞を支える情報があるかもしれませんね。

ネットスクール株式会社 藤本拓也)

浜松ホトニクス株式会社

関連記事