南国で稼ぐアルペンの不思議

スキー場イメージ秋の訪れとともに、テレビCMや駅の広告などは一足先に冬服やウィンタースポーツに関するものが増えてきます。そんな中で、個人的に特に印象に残るのが、やはり株式会社アルペン(以下、「アルペン」)のCMではないでしょうか。“冬の女王”と呼ばれる広瀬香美の歌とともにアルペンのCMがテレビで放映されると、何となく冬が近いことを感じてしまいます。

そんなアルペンの有価証券報告書(有報)には、これまでにもいろんな会社で見てきた都道府県別の売上高と店舗数の情報が記載されています。ウィンタースポーツの印象が強いアルペンで、都道府県別1店舗あたり売上高を計算してみると、どうなるのか…。計算してみると、意外な結果となりました。

◆株式会社アルペン1店舗あたり年間売上高ベスト5(平成26年7月1日~平成27年6月30日)
【第5位】 兵庫県
6億3,505万円(127億100万円/20店舗)
【第4位】 広島県
6億4,167万円(38億5,000万円/6店舗)
【第3位】 高知県
6億5,800万円(13億1,600万円/2店舗)
【第2位】 佐賀県
6億5,840万円(16億4,600万円/2.5店舗)
【第1位】 沖縄県
8億4,523万円(54億9,400万円/6.5店舗)
※株式会社アルペンの第43期・第42期有価証券報告書に基づいて算定。
《凡例》1店舗あたり年間売上高(全店年間売上高/期中平均店舗数)
※「期中平均店舗」と0.5店舗単位の理由の詳細については、ココイチ編を参照。
ランキングの完全版はこちら

混戦の第2位以下を大きく引き離して堂々の第1位となったのは、意外にも沖縄県!
第2位以下も、とてもウィンタースポーツが盛んなようには思えない、西日本・南日本がランクインしています。
どうにもCMとのイメージに合わない結果となりましたが、有報をよくよく見るとその理由は明らかになります。

アルペンは社名と同じ「アルペン」というウィンタースポーツ用品店のほか、ゴルフ用品を扱う「ゴルフ5」、一般スポーツ用品を扱う「スポーツデポ」を三本柱に据えて、事業を営んでいます。
ウィンタースポーツ、ゴルフ、一般スポーツそれぞれの売上高を見ると、ウィンタースポーツが約180億円、ゴルフが約約738億円、一般スポーツが約1,239億円となっており(すべて第43期の有報のデータ)、グループ全体の売上に占めるウィンタースポーツの売り上げは1割もありません。

ちなみに、アルペンのホームページを見ると、沖縄県にウィンタースポーツ用品を扱う「アルペン」は1店舗も無いので、第1位の沖縄県でスキー板やスノーボードが沢山売れている訳ではないようです(当然といえば、当然ですが…)。
そう考えると、年間を通じて比較的温暖な地域でスポーツ用品が売れる納得の結果かもしれません。

有報をしっかりと見た結果、CMのイメージと企業の本当の姿のギャップに驚かされる一例かもしれません。

ネットスクール株式会社 藤本拓也)

株式会社アルペン

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