有報で探る就職先の給料事情?

給料明細イメージ就職活動たけなわのいま、勤務先の給与や退職してしまう割合などが気になる学生は多いかと思います。実はそういったことのヒントも有価証券報告書(有報)にあることを見ていきましょう。注目すべきは、有報[従業員の状況]に記載されている、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与の部分です。

朝日学生情報ナビ2016に掲載されている2016年度卒の学生就職先人気ランキング第1位のANAホールディングス(全日本空輸) の有価証券報告書によると、今年3月31日現在の同社の従業員数は161人、平均年齢は47.1歳、平均勤続年数1.58年、平均年間給与約790万円となっています。

「えっ、ANAって161人しかいないの?」

「平均勤続年数1.58年ということは、2年たったら誰もいないってこと?ブラック企業並じゃない?」

なんて思われた方も多いのではないでしょうか。

でも実はこれ、ちゃんと理由があって、注意書きの「当社の従業員は全日本空輸株式会社を中心とした連結子会社からの出向社員で構成されており、平成25年4月1日以降の平均勤続年数を記載しているためである」という部分に気をつける必要があります。

見ている従業員の情報は『提出会社』、つまり有価証券報告書の提出会社であるANAホールディングス株式会社のみの情報なのです。通常「ホールディングス」と名乗る、いわゆる「持株会社」は、グループ全体の管理のみを行う会社なので、従業員数は多くないですし、管理職レベルの人たちばかりなので平均給与も高くなる傾向にあります。

また、今のグループ形態になった平成25年4月1日からの勤続年数を平均しているので、勤務期間が短いのも納得ができます。

本来、有報の「従業員の状況」という部分も就職活動に役立つ情報が得られる傾向にあるのですが、ANAホールディングスのような「ホールディングス」と付く企業では、これらの情報が就職活動にいまひとつ役に立たないこともあるので、注意が必要です。

ちなみに、人気企業ランキング第3位の株式会社オリエンタルランドだと、従業員数2,229人、平均年齢44.1歳、平均勤続年数19.8年、年間平均給与約792万円と、現実的な数がでています。こちらは、参考になりそうです。

就転職の活動の参考に、有報も活用してみてはいかがでしょうか。

(ネットスクール株式会社 桑原知之)

関連記事