もしも楽天の売上が100万円だったら

100万円イメージ

「それって、どこで買ったの?」「うん、楽天で。」などという会話がよくされるが、楽天って、どんな会社なのでしょうか。

まず、昨年度末(2014年12月31日)の有価証券報告書(有報)で、実際には5,986億円ほどの売上を計上している楽天株式会社。

これだけの規模になると、何が何だか分からなくなるので「もし、楽天の売上が100万円だったら」と仮定して、有価証券報告書の数字に基づいて、モデル化してみていきましょう。

まず収益。

楽天の収益を100万円とすると、そのうち『楽天ブックス』や『楽天kobo』など楽天自身が行う「物品販売」の額は9.8万円と、1割にも満たない。つまり、楽天はほとんどモノを売っていないのです。

楽天は、なんといっても『楽天市場』などの取引の場所を提供するサービス「役務収益」で68.8万円を稼いでおり、これがメインビジネス。

さらに、銀行、証券会社、カード会社を持っており、この「利息収益」で14.9万円、生命保険による収益も4.5万円ほどあり、両者を合わせた金融サービスによる収益は、楽天自信がモノを売って稼ぐ「物品販売」の収益の倍近くに及びます。

楽天は、『楽天市場』に出店する際に出店者から場所代を取り、そこの商品が売れれば、代金の数%を受取る。さらにそのあとでカードを利用してもらえれば利息ももらえる。という連続した3つのキャッシュポイントを設けており、このシステムで収益の9割近くを得ています。

ちなみに、売上以外の金額も考えて見ましょう。

例えば、楽天カードの広告を良く見かける気がしますが、「広告宣伝費及び販売促進費」は14万円と意外と低く抑えているのがわかります。また、楽天に限らず色んな企業で最近何かと話題の「役員報酬」は1,036円ということも、有報を見れば分かります。
そして利益は営業利益が18万円、税引前当期純利益が17万円となっており、しっかりと利益を残しているということがわかります。

企業の本当の姿を見ようとするとき、このように割合で考えると、意外な姿が見えてくるものです。これが「財務分析」のエッセンスでもあります。

ニュースや雑誌の記事では「年商○○億円」とか、「最高益○○億円」というニュースを良く見かけます。このように実際の金額で語ることも悪くはないのですが、気になる会社の売上を100万円として考えてみるのはいかがでしょうか。

(ネットスクール株式会社 桑原知之)

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