『巨大な”パズドラ”の影響力』

スマートフォン(スマホ)が普及した現代。スマホを使って、暇つぶし代わりに色んなニュースを読むこともできるようになりましたが、通勤電車などでよく見かけるのは、「スマホでゲームをしている人」だと思います。

そんなスマホのゲームの中でも、最大のヒット作の1つと言われるのがガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(以下、ガンホー)の「パズル&ドラゴンズ」(通称「パズドラ」)ではないでしょうか。今回は、ガンホーの有報を見ながら、「パズドラ」の凄さ感じてみましょう。

スマホイメージ

パズドラは平成24年2月にリリースされ、今年の2月に3周年を迎えたそうです。

リリースされた平成24年度の業績などが記載された有価証券報告書(平成25年3月22日提出)で、既に『平成24年2月にサービスを開始した「パズル&ドラゴンズ」が(中略)、大変人気を博しております。』と書かれています(【業績等の概要】より引用)。リリース当初から一躍人気ゲームになった「パズドラ」。その人気は、3年経った今でも衰える気配はありません。

それは、ガンホーの有報に書かれた「パズドラ」関連売上高からもうかがえます。リリースされた平成24年度から、昨年の平成26年度までの「パズドラ」関連売上高を過去の有報に遡って調べると、

平成24年度(平成24年1月~12月):約146億円

平成25年度(平成25年1月~12月):約1,486億円

平成26年度(平成26年1月~12月):約1,583億円

と右肩上がりに売上高が増えていることがわかります。

リリースされてから約3年間での関連売上高は、累計すると3,215億円ほどになり、その規模には驚かされます。

ただ、この情報は各種のまとめサイト等で既に話題になっていたため、ご存知の方も多いかもしれません。これだけでは物足りないかと思いますので、「有報教育研究所」らしい点にも触れておきましょう。

投資家に対して投資に役立つ企業情報を提供する有価証券報告書でも、ここまで特定の商品やサービスに絞った情報を記載することは非常にレアなケースです。財務諸表(決算書)を見ても、このような内容は書かれていないことが通常です。では、なぜガンホーの「パズドラ」はこのような情報が明らかになっているのでしょうか。それは、今回の情報を記載しているのが、有報の【事業等のリスク】という場所に書かれていることがポイントとなります。

例えば、平成26年度のガンホーの売上高は総額で1,730億円ほど。それに対して、前述のとおり「パズドラ」関連の売上高は1,600億円弱。したがって、ガンホーの売上高の9割以上が「パズドラ」関連ということになっています。

ガンホーは有報内の【事業等のリスク】に「特定のゲームへの依存について」という見出しとともにこの事実を記し、具体的な「パズドラ」関連売上高と全体の売上高を示すことで、その依存度が時として業績に大きな影響を与えてしまう可能性があることをガンホー自身もリスクとして認識し、投資家に示しているからこそ、このような情報を知ることができているのです。

この先、「パズドラ」人気が更に確固たるものになるのか、はたまた、ガンホーが新しい大ヒットゲームを生み出して、現在のような「パズドラ依存」を【事業等のリスク】として示す必要がなくなるのか、今後の動向に注目です。

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社

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