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ガイド(ホスト)デビュー手記

ガイドデビュー手記5<インバウンドへのチャレンジ>

目次

最新ハイブリッドガイド手記1

「自作ツアー開催を夢想していた通訳ガイドが一周回ってふりだしに戻った件」

  • はじめに

「差出人 :Viator

タイトル:2022/9/5(土)の新規予約

ご対応は必要ありません。この予約は確定しています。」

コロナのある生活がすっかり普通になった2022年8月、いつものようにメールをチェックした私は、その場でしばし固まっていました。

・・・・・・新規予約? 確定?? え、ViatorってTripAdvisorのことだよね???

なんと、2年も前に「とりあえず」登録しておいた、インバウンド向け「日暮里繊維街ツアー」に、予約が入ったのでした。

  • 2019年:RailfanGuideのメンバーになる

はじめまして、MOMO(モモ)と申します。

コロナ禍になるまで、副業で通訳ガイドの仕事をしていました。ガイドの資格を取ったきっかけは東京オリンピック。大会ボランティアをやりたくて、「資格があれば役に立つかも」と思ったからです。

旅行会社に登録し、都内観光ツアーのガイドをしていた2019年夏、斉藤さんの「資格がなくても旅行業や観光業ができる本」を読みました。ちょうど「趣味のソーイングをいかして、インバウンド向けに日暮里繊維街を案内する自前のツアーができないかな」と思っていた頃です。その後、斉藤さんのセミナーやツアーに参加、RailfanGuideグループ(以下RFG。現在は「ガイドマッチング情報グループ」に名称変更)のメンバーにも加えてもらいました。

ただ、当時は自前のツアーといっても、「いつかできたらいいな」ぐらい漠然と考えていただけ。目標というよりぼんやりした夢でした。それがどう回り回って2年後実現に至ったのか、つらつらご紹介したいと思います。「こういうルートもあるんだな」と、参考になれば幸いです。

  • 2020年前半:Viatorでインバウンド向けリアルツアー登録

あけて2020年、日本でもコロナ禍が広がり、3月にはガイドの仕事がすべてキャンセルになりました。一方RFGはというと、メンバー資格の見直しがあり、斉藤さんから「4月末までに、何か1つはツアーを企画・登録するように」とのお達しが。

・・・・・・困りました。すでに観光業界もオンライン化が進みつつあり、他のメンバーは次々とオリジナリティあるオンライン体験を公開していました。でも私にとって、オンラインはまったくの想定外。それに日暮里以外やりたい・やれるネタも考えつきません。「こりゃ脱会かな」と思い始めた頃、斉藤さんに「オンラインでもリアルでも、ツアーなら何でもいいよ」と言われ、「それなら」となかばヤケクソで登録したのが、Viatorの日暮里繊維街ツアーです。

もちろんインバウンド向けのリアルツアーなので、開催できる見込みはありません。開催曜日と時間は指定したものの、予約は受け付けない設定にし、それきり放置していました。

  • 2020年後半:TABICAとTripAdvisorで日本人向けオンラインツアー登録&開催

この頃RFGでは、「英語も日本語もありのハイブリッドガイド」という新しいコンセプトのもと、TABICA(現aini)やTripAdvisorで日本語体験を公開する動きが盛んでした。その流れで私にも、「ためしに、日本人向けに日暮里繊維街のオンラインツアーを作ってみたら?」と、斉藤さんからアドバイスがありました。

もともとインバウンド向けのリアルツアーしか頭になく、正直最初は気が進みませんでした。でも感染状況からして、リアルのツアーは当分無理そう。渋々(?)ながら、TripAdvisorTABICAで日暮里繊維街の日本語オンラインツアーを登録しました。2020年9月のことです。

登録はしたものの「需要あるのかな」と半信半疑でしたが、開催の機会は思いがけず早くやって来ました。1か月後の10月、斉藤さんが体験ツアー造成プロジェクトでサポートしている2名の女性に向けて、RFGメンバーがツアー(体験)を順次開催することになり、私にもお声がかかったのです。

慌ててパワーポイントの本を読み(そこから!?)、四苦八苦しながらスライドを作成、斉藤さんにもチェックしていただいて、ドキドキで当日を迎えました。日本語だしスライドあるし、英語のリアルツアーよりよほど楽そうなものですが、ホストの立場でオンライン開催するのはまた違った緊張感があります。前日には思いがけず一般の方からも申し込みが入り、画面越しの3名に向け、冷汗をかきながらご案内しました。いや~~~緊張した!

  • 2021年:日本語オンラインツアーをまったり開催

その後はありがたいことに、1カ月に1人ぐらいの頻度で予約が入り、ぽつりぽつりと開催が続きました。2021年には大学の日本語科の生徒さんたちに向けて、英語のスライドを見せながら日本語でガイド、というグループツアーも経験しました。

リアルではGo Toトラベルの一環で、日本人向けに大相撲本場所観戦ツアーをガイドしたことも。本場所観戦ツアーはコロナ禍前もやっていましたが、インバウンド向けだったため、話す内容は大幅に変える必要がありました。単純に「英語⇔日本語」ではないんだな、というのが両方やってみての感想です。何より「日本人に向けて、日本語でガイドしている自分」は予想外の展開で、何とも不思議な感覚でした。

  • 2022年:Viatorでツアー開催&Airbnbでツアー登録

コロナ禍3年目の2022年は、オンラインツアー熱もひと頃に比べ落ち着いた印象があります。私はというと、コロナ禍前にやっていた送迎の仕事(来日ゲストを空港や駅で送り迎え)を再開した一方で、オンラインツアーの方はすっかりご無沙汰になっていました。

このままいけば、遠からずインバウンドも戻ってきそう。

そうなったら日暮里繊維街ツアーをどうするか、考えないと。

やろうかなー、どうしようかなー、うーんうーんう(以下略)

どちらとも決めかねるまま過ごしていた8月のある日、Viatorから突然の予約確定メールが届きました。2年前、自分では予約できない設定にしたつもりが、どうもそうではなかったらしいのです。「これは何かの間違いではないか」と、おそるおそるゲストにご挨拶のメールを送ったところ、すぐ返事が返ってきて、「ホントに予約が入ったんだ・・・」と思い知りました。

あわてて下見に行き、行程を考え、ガイド原稿や資料を作り、それからはひたすら練習です。今回は日本語が先で英語が後でしたが、やはり内容は一から考え直しました。そして迎えたツアー当日、この日のために空のスーツケースを用意したというゲストは、ガチお買い物モード。この店で2m、あの店では5mといった具合に次々と布を買いまくり、私はそれをサポートするお買い物アテンドのような役回りとなりました。用意した原稿の半分も話すことなく終わりましたが、後日レビューを書いてくれたところを見ると、満足していただけたようです。

そしてこのツアー、驚いたことに11月にも予約が入り、2回目を開催しました。さらに驚いたことに、12月に3回目の予約が入りました。今回はなんと4名のグループです。たまに予約が入ることはあっても1人だろうと思っていたので、人数を見てびっくり。いや、そもそも4名に設定したのは自分なんですが、「本当に4名で予約が入ったよ・・・」と妙に感心してしまいました。

ちなみに、斉藤さんのアドバイスで、同じ内容のツアーをAirbnbにも登録しました。一体どれぐらい&どんなニーズがあるのか、今でもよくわかりませんが、それは相手が決めること。いつか予約が入る日を楽しみに待ちたいと思います。

  • おわりに

というわけで、「コロナ禍を経て、気がつけば一周回って夢がかなってた」というお話でした。何事も腰の重い自分、RFGメンバーと斉藤さんの存在がなければ、今でも行動に結びつかないままだったかもしれません。その意味では、「資格がなくても~」本との出会いは大きかったです。

また今回の経験を通じて、「最初からこうと決めつけず、とりあえずやってみる」って大事だなと思いました。RFGのメンバーを見ていても、「準備ができてから動く」より「動きながら準備する」パターンが多いです。今、体験やツアーの開催を考えている方は、「とりあえず」登録するなど、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。何がどう転ぶかわかりません。自分自身も含め、「まずはやってみよう」と声をかけたいと思います。

※著者補足:MOMO(モモ)さんは、たまたま、通訳ガイド(全国通訳案内士)の資格を持っていましたが、ここで紹介したガイドマッチングサービスへの登録や、オンライン&オフライン体験(ツアー)の企画や実施は、ルールを遵守すれば旅行業法に縛られません。日本人向けでも、インバウンド向けでも、資格がなくても「旅行業」や「観光業」的な活動や、ツアープランナーやツアーコンダクター、ガイド的な経験が可能です。

最新ハイブリッドガイド手記2

 

※著者補足:冒頭のMOMO(モモ)さんに続き、コロナ禍の前、2019年末に私のストアカの講座を受けてからハイブリットガイドになったエノさんの最新手記をご紹介します。

aini,アクティビティジャパン, HIS,Airbnbでのオンライン体験など様々なプラットフォームで開催しています。

【体験ホストデビュー】

私が体験ホストデビューしたのは2019年11月のことでした。そうです。コロナが始まる直前です。

翌年1月にダイヤモンド・プリンセス号でコロナが発生した報道があり、当初はそこまで大事にならずに済むのでは…との希望的な観測を裏切って状況は徐々に深刻になってゆきTABICA(現名称はAini)やAirbnbでせっかく公開した体験ツアーも一度も開催しないまま、受付停止せざるを得ない流れになっていきます。

【オンラインツアーの始動】

さて、せっかくデビューしたもののほんの2、3か月でリアルでの体験ツアー開催は不可能になり、体験ホストとしてはすっかり開店休業状態となってしまったわけですが、この状況は私個人のものではなく旅行業界全体が陥った前代未聞のトラブル。状況が短期間で解決されないことを認識した旅行会社、各種マッチングサイトは、次々にオンラインツアーにシフトし始めました。

私が登録していたサイトの中ではTABICAが一番早かった記憶があります。オンラインミーティングツールの制約はなく、皆が色々ツールを含め試行錯誤をしていた時代です。私自身もZoomが主でしたが、まったく別のユニークなツール(SpatialChat)での開催も一部で行い、ツールそのものに興味を惹かれてご参加されたゲスト様もいらっしゃいました。Zoomそのものもまだまだメジャーではなく、Zoom機能自体をハンズオンでお教えする『Zoomオンラインミーティングの主催者体験』、『英語雑談会』等の学習系コンテンツも人気がありました。

また私自身は主催しておりませんが、『オンラインスナック』も一世を風靡したコンテンツです。お試しになった方は多いのではないでしょうか?

【旅行コンテンツ】

当初、旅行っぽくないコンテンツばかりだったオンラインツアーですが、徐々に旅行コンテンツの模索が始まってきます。私の記憶に残っているのは、某旅行会社の『讃岐うどんツアー』、また別の旅行会社の『オンラインパリツアー』。共にライブ中継も含む豪華なものでした。

ただ、このレベルの体験ツアーは一人や数名で開催している体験ホストではとても真似ができないことも参加してみて実感しました。

それまでの私の開催したオンライン体験では最大で20名様程、料金も1000円以下でした。体験ツアー掲載サイトの手数料が20~30%なので、たとえ20名ご参加頂けても遠方へ下調べに行く予算も出ないことは明白です。ましてAirbnb等、ゲスト様がお一人でも開催しなければならない規約がある場合もあります。自然と選択肢は絞られてきて、自分の慣れ親しんだ界隈(私の場合は浅草)となりました。

そうです。都内屈指のメジャーな観光地です。体験ツアーはホストの独自性が大事だとあれほど言われていたのに、独自性の欠片もない『浅草』。

斉藤さんには懐疑的な表情を頂きながらも、ActivityJapanで開催をスタート。週末オンリー開催なこともあり、当初は月に1,2回お一人~数名で開催するような状況でした。

ところが、個人客について変化はないものの、徐々に団体様でのお申込みが多くなってまいります。

【オンラインツアーに求められるもの】

当初、「旅行コンテンツ」として始めた、私の浅草オンラインツアーですが、どうやら、目的が『浅草』そのものではないらしい様子の参加者いらっしゃるらしいことにしらばく経って気付きました。

体験内の自己紹介の場でお申込みの理由を聞くようになってわかったことですが、当初のご参加者のかなりの割合が実は旅行会社や町興し関連のお仕事をされている方で、ご自身や自社でオンラインツアーを開催する参考にしたい、と言う目的でいらっしゃっていたようです。

『浅草』そのものではなく、オンラインツアー開催のコツ、Zoomを始めとしたツールの使い方、避けるべきこと、等の内容をメインとさせて頂いたこともあったほど。

一年ほど経つにつれ、今度は学校関連のご利用も出てまいりました。大学のゼミメンバーでのご参加はフィールドワーク替わり、日本語を学習中の海外の学生には日本語の課外授業替わり、小学校のオリエンテーション替わり、などなど。

現在ではリクエストベースでの開催とさせて頂いていることもあり、個人利用よりそういった団体様のご利用の方が返って多いくらいで、たまにお一人でご参加さる方も団体利用の下見でいらっしゃっているケースもあります。もちろん、実際の旅行替わりにオンラインツアーを、と言うご利用もゼロではないのですが、それ以外の目的でご参加頂くことが多く、実際の旅行の置き換えとしてオンラインツアーが選ばれているのではなく、別ジャンルの需要があることがわかってまいりました。

【リアルとオンライン】

そもそも、私が体験ホストを始めたそもそもの動機は、「英語学習も兼ねて、インバウンド向けの体験をホストしてみたい」と言うものでした。

コロナの問題もあり、これまでのところ求めていたことそのままが実現できているわけではありませんが、思ったのとは違う形で実現できているものもあります。

メインコンテンツである「浅草オンラインツアー」は、基本的に日本語での開催ですが、英語でのご案内をリクエストされることもありますし、日本語でご案内する場合も英語で少々補足することもあり英語力を鍛えるいい機会になっています。

外国人旅行客の入国制限緩和もあり、今後はリアルの体験ツアーが再び盛んになっていくと思われます。これまで上げたサイト以外に、TripadvisorやVeltra、Viatorと行ったプラットフォームで同時期に体験ホストを始めた仲間が頑張っているのを見ると、私自身も初心に帰ってリアルの体験ツアーにもう一度挑戦してみたい気持ちになります。

ただ、ではオンライン体験ツアーをまったく不要になってしまうのかと言うと、そうではない気がしています。オンライン体験ツアーにはまた別の需要があると思われるからです。

リアル体験と共存していけるオンラインツアーにはどんなものがあるでしょう?

一つは下見ツアーだと思います。実際に体験できることを先に確認出来て、且つ、実体験を申し込む際に使える割引クーポンのついている下見ツアーは、ゲスト様にも喜ばれますし、主催者側も実体験ツアーの宣伝になるのでWinWinな最強コンテンツだと思います。

もう一つは工作系。こちらはもちろん材料や道具の関係でオンラインが難しいものもありますが、手元を別カメラで大きく映す、事前に用意した動画を併用する、等で実教室で開催するより分かりやすくなることもあるのと、夏休みの課題等でシーズン的な需要が見込まれるのでオンライン体験が今後も盛んなジャンルではないでしょうか。

私の「浅草オンラインツアー」はどちらかと言うと下見ツアーにあたるため、リアル体験も開催してそちらとリンクさせる、又はリアル体験の開催者とコラボする、という流れが一番良いかな、と思っています。

もちろん、他にもオンラインツアーでなければ、又はオンラインツアーの方が良い、コンテンツも出てくると思います。それを発見していくのも楽しそうです。

これらは以下のKindle本の一部です。

資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができる本

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