ガイドデビュー手記3<オンライン(体験)ツアー>
目次
ゆっきさん
〇オンライン体験ホストになろうと思ったきっかけ
コロナ禍の前、私は仕事(健康づくりの運動指導)関係の研修などで首都圏を始め県外に普通に出かけていましたが、感染の拡大で研修がほとんど中止かオンラインになってしまいました。オンライン研修に参加するにも、もっとzoomを使いこなせるようになりたい、うまくいったら自分の仕事をオラインで開催できるかも、と思ったのが始まりでした。
そうした中、無料のzoomのセミナーが地元である(オンラインツアーの部分をあまり見ていなかった)のを見つけ早速申し込みました。申し込みの時点で、やってみたいオンラインツアーとして「地元の自然公園」を何となく挙げました。申し込んでからよく見ると最終的にオンラインツアーや体験を実際に開催するというものでしたが、この時は意気込んで申し込んだものの実際に自分でできるのか?とあまり実感がありませんでした。
とりあえずTABICA(当時)サイトにアップされているオンライン体験を見てみると、面白そうなものばかり。オンラインツアー(旅行)にとどまらず料理やヨガ、占いやオンラインスナックまであり、こんな世界もあるのかと初めて見たときはびっくりしました。
〇セミナーを受けてみて
オンラインツアーの種類や特徴、オンラインやzoomの基礎知識など、実践経験豊富な斉藤常治先生から指導を受けました。初心者から始めたというホストのまゆまゆさんのオンラインセミナーも身近に感じられ参考になりました。実際にzoomを使って受講することで、だんだん慣れてくるのも実感でき、収穫の多い内容でした。その中で斉藤先生の「『こうでなきゃいけない』というのはない」というのが、私にとってなんだかやる気を起こさせる魔法のフレーズでした。
〇自分のオンライン体験づくり
当初考えていた地元のオンラインツアーを模索しましたが、地味すぎてビジュアル的にも人を引き付けるものに発展させることができませんでした。その後、自分の好きな近場のドライブコースや鉄道路線をこの機会に久しぶりに再度訪れることを思い立ちました(コロナ禍により県内を見直し)。今まではフラリと自分のペースで訪れていたところを「人に伝えるために」見る目を変えてみると、新しい発見が山ほどあってその魅力にさらに惹かれていき、自分が「旅好き」ということも再認識できました。
とはいうものの、zoomで人様にお見せするには、まずzoomのスキルを高めるために斉藤先生に勧められた「オンラインスナック」に挑戦することにしました。しかし、スナックのママさんのような包容力もないし、人を和ませるトークにも自信がない。ふと思いついたのが、旅先で知り合った人同士が語り合うような「場」の提供でした。旅先では、別に進行役がいなくても何となく「どちらから?」から始まって自分の故郷のことや今日の出来事、旅のエピソードを語り合い盛り上がりますよね。それは私にとって旅の楽しみの一つでもあります。「場」の話題提供として、皆様に楽しんでいただける自分にある持ち物は「方言(秋田弁)」くらいかな、というところにたどり着きました。自分自身も楽しめるのでは、と考えながらワクワクしてきました。
また、旅が自由にできないコロナ禍だからこそ、旅先のイメージを強く出したかったので、よくある「オンラインスナック」とはいくつか違う点がでてきました。①時間帯を夜だけでなく昼にも(夜のスナックとしないで何となく集まっておしゃべり)~昼でないと自分だけの時間・空間が取れない方もいるのでは、②別にしゃべらなくても聞くだけでもいい~旅先のおしゃべりで発言は強要されないし気軽な感じを出したい、③参加者の話題が少なかったら自分のネイティブの秋田弁を紹介する、④あまり作りこまないようにし多様性を持たせ偶然性を楽しむ、という点です。
講師を務めたまゆまゆさんが開催するオンラインスナックにも実際に参加し、現場を体験してみました。皆さん、ただ集まって世間話をするだけでしたがとても楽しく、「私なりにやればいいんだ」という覚悟ができたような気がしました。
〇実際にオンライン体験を開催してみて
実際に旅先で撮りためていた写真を使ってPR画面を作成し私の初めてのオンライン体験をainiサイトにアップ、斉藤先生やまゆまゆさんのnoteで紹介していただいたり知人を招待したりして開催にこぎつけました。
そして迎えた初回。当日は、各自の現在の日常話す言葉と知っている方言で自己紹介を最初にしていただきました。なぜその言葉(方言)かという話は、人生いつどこでどう過ごしてきたかの説明が伴うわけですが、皆さんがサラリと話してくださり、自己紹介だけでお互いの距離がぐっと縮まるのを感じました。全国各地さらには海外からの参加とは思えないくらい!方言を話のタネに、そこから地元舞台の映画や漫画、趣味やペットの話へと話題が広がり、なんだか癒される、だけど心地よい刺激に満たされた1時間となりました。皆さんのおかげで、「何とかなるもんだ」と実感しました。講師の皆さん、ご参加の皆さんに感謝です。
2回目は、初回の日程に合わなかった方が参加しやすい設定としました。本人や家族の都合で平日の日中のほうが都合よいという方もいるようです。オンラインスナックでご一緒した方や研修仲間に加え全くの初対面の九州の方も。皆さん方言について興味を持たれ、出身地や転居地、現住地などの方言を紹介をしてくれました。中には幼少期に秋田を訪れた時のお土産や地元の方言グッズ(缶バッジ)を実際に見せてくださる方もいて、私自身が楽しく過ごさせていただきました。
「オンラインでどこにいても繋がれる」を実感できる貴重な機会でした。コロナ禍でなくても、体調や時間・予算の都合で遠出ができない方にとって、オンラインは需要が増えていくのでは、と感じています。
〇今後
より魅力のあるものになるような工夫や価格設定、時間帯など課題は多々ありますが、方言は地域の財産であり魅力なので、それを大事にしマイペースで継続したいと思っています。
自分の旅好きコンセプトとして、秋田の地元民が好きなコースを、四季の魅力も含めてうまく伝えるよう模索していきたいです(秋田内陸縦貫鉄道、五能線)。そして、自分の専門である健康・体力づくりについても、外出しにくい方々のために自宅にいながら参加できるように模索していきたいと思っています。
能代市木の学校 佐々木松夫さん
組子キットの製作体験を通して感じたこと
木の学校へ訪ねてくれた斉藤さんへ、ここの事業内容や取り組んでいる活動等を説明していたら、「組子キットの製作をオンラインでやったら面白いかも」と言われ、軽い気持ちで「やっても良いかな」と返事したことが全ての始まりでした。ZOOM自体、数回の会議経験しかなかったのに。
前の職場の同僚である野呂さんが既にオンライン体験を公開したとか、わたしよりIT音痴の船山さんが一緒に始めようと斉藤さんを紹介してくれたことで、自分も出来るかもという安易さと、彼らに後れを取りたくないというライバル心が芽生えたのかもしれません。
それがきっかけで斉藤さんが講師として、この施設でのオンライン体験講座を開催することになるのですが、何とプロジェクターやスクリーンまで購入し、更には回線速度と配信環境の安定性を確保するために、インターネット接続サービスの変更まで行ってしまいました。1回目のZOOMの講座が6月4日、最後のオンライン体験が7月12日。そんな投資や受講までしたのにコンテンツ制作は一向に進まず。それ以前にZOOMの操作自体がチンプンカンプン。講座を受けたはずなのに起動方法さえ忘れる始末。それでも一緒に講座を受けた同僚の大和さんや講師の斉藤さんに聞き、更には交流のある市民活動支援センターの牧野さんからマンツーマンでの指導を受けたのがオンライン体験本番(10/20)の2週間前でした。
それと平行して、組子キットの製作をオンラインで完成させる説明方法をどうするか、リアルの体験でさえ部材をポキポキ折る人が続出していたので、かなり悩みました。本番当日でさえ内心は心配だらけ。最終的に携帯電話を手元カメラとして使い、組み立て図の上で製作することで、参加者全員が無事に完成に至り、心からほっとしました。組子の魅力を知り、製作して楽しかったとの感想も寄せられ、チャレンジした甲斐があったと思います。斉藤さんに言わせると、一夜漬けの得意なタイプですよねと(笑)
公開までには、ここの職員と一緒に体験メニューの内容や予約者とのやり取りを考えたり、木の学校の情報発信を充実させたり、オンライン販売にも力を入れるなどで思わぬ効果もありました。お客様が木の学校に来るのを待っているだけでなく、さまざまなアプローチがあることも実感しました。リアルでの木工体験をオンラインで実施出来れば、全国に向けて活動が拡がります。組子キット体験の予約は非常に厳しい状況ですが、人々の生活様式やコミュニケーション手段が変化しており、新たな時代へ向けた取り組みはこの先も続けていく必要があると実感できたことが最大の成果かもしれません。今後もオンラインの持つ可能性を探っていきたいと思っています。
佐藤弦さん
はじめまして、秋田県能代市にて介護職員をしております。佐藤です。
今回「オンラインプロフェッショナルスクール」に参加し「第1回TABICA(aini)体験」を終えた私の思いをこちらにお話します。
オンライン体験、やりたいけど・・・できるかな?
「やりたい!」と思ったものの「観光でもなくモノづくり、地域貢献や仕事でもない私にやれるのか」という思いが入り混じったプロフェッショナルオンラインスクールの当日。少しzoomをしたことがあったのですが斎藤さんのお話を聞き、「オンラインの可能性ってすごい」と思う出来事がありました。それはオンラインの「オン」が大事ということです。
「ネット環境が大事です」。と斎藤さんは教えてくれました。どんなに綺麗な景色、美味しそうな食べ物があっても画面越しで映像を配信する際にネット環境が悪いと「ぼやけてみえる」「カクついて見づらい」となります。「あなたは見えづらいもの、カクつくものにお金を払いますか?」と問われた時に「払わない」と私の答えは即答でした。一方、自分が配信者になった時に「ネット環境を整えることはできるのか」と自問していると斎藤さんが「こうすれば大丈夫です」「ここを確認しましょう」と手解きして頂きました。何となく「見れていればいい」「繋がっていればいい」と思っていたものが、自分が届けたいもの、その先にいるお客様のことを考えると「しっかり確認しないとな」という気持ちになった瞬間です。今ではWi-Fiのスピードチェックのアプリを入れており、いく先々で確認し「あ、ここのWi-Fiは素晴らしい」「といことはこういう場所でこんなことできるな」と思い自分の可能性と結びつけております。
オンラインの「オン」を整えて私は何をやりたいか
「フォトブック」作りがしたい。そう漠然と思って参加した1ヶ月。いざ体験にしようとした時に「フォトブックってわかるかな?」と斎藤さんが聞いてくれました。「わかるんじゃないですか」というのが私の率直な気持ち。しかし「自分が思っていることと相手が思っていることって違う」ことがある。オンラインスクールに参加して教えてもらったことです。
私は分かると思ってつけたタイトルも「これは何がしたいのかな?って思った」と意見をくれた方いました。1番最初につけたタイトルは「しまうまプリントを用いたオンラインフォトブック作り」。2番に考えたものが「好きな人に本を贈る。私とあなたの本作り」です。2番目のタイトルを共有した時「あ、こっちの方が良いな」と感じました。それは画面越しに映る表情や頷きなどを見た時です。オンラインの「オン」が整って初めて人の表情とコミュニケーションがとることができると感じた瞬間です。
1回目のTABICA(aini)体験はどうだったの?
思い出をカタチする。あなたの写真、整えます。と題し初の体験を行いました。
一緒に学んだオンラインプロフェッショナルスクールの方々と一般の方を交えた計6名での初体験。私の心臓は飛び出そうでした。結果は「課題がてんこ盛り」。まずタイトルと内容の乖離がありました。あなたの写真を整えます。と題したタイトルでしたが「写真の整理術を期待され参加されたのですが、話しは自分の飛びっきりの写真をみんなに話す」というコミュニケーションの割合が多いものでした。参加者より「内容は面白かったけど、タイトルと違ったかな」と振り返りを頂きました。私もやる直前まで「このタイトル、この流れ、この感じでいけるだろう〜」と何度もイメージトレーニングをしていたのですがいざ、
実際にホストをしていると「え?たしかにそうだよね。なんでこんなことに気づかなかったのだろう」と思いました。「自分の思い込みって・・・怖い」と思いつつもやったからこそわかった経験。あとは改善すればいい。という気持ちが出てきました。改善箇所は多かったですが「あとは直せばいい」「直してみてどうだったか」の機会をもらったみなさんに感謝。感謝です。
今後も実施と改善を繰り返してオンライン体験を進めていきたいと思っています