「資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本」未掲載原稿

以下は、2019年3月9日発売の「資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本」の紙面の都合で掲載できなかった、未掲載原稿です。最初はこの文章のあとに、書籍の謝辞が続くはずでした。目次紹介ページ


おわりに

本当は、「おわりに」の原稿は2018年末に本文とあわせた内容で用意していました。しかし、同じ時期にNHKスペシャル「ロストフの14秒日本vs.ベルギー 知られざる物語」を見て差し替えたくなりました。
これは、2018 FIFAワールドカップ ロシアでのベルギー戦の終了間際、日本のベスト8進出の夢を打ち砕いた超高速カウンターの舞台裏のお話でした。

この中で、当時の日本代表キャプテンのインタビューが印象的でした。それは、「長谷部 誠はここまでの選手だったんだな」という事実を受け入れる14秒だったと。この言葉の解釈は人によってそれぞれのようです。
私の好きな作家の曽野 綾子の「人間の分際」という本があります。

内容は、人間には、すべてのことに努力でなしうる限度があり、人間はその分際(身の程)を心得て生きると幸せだというようなものです。賛否両論あるのですが、サラリーマンをやめ創業から二年後の2008年にVCから総額約1億5千万円調達した時なら、この本の趣旨には賛同できなかったかもしれません。

本文のAI関連のところで、私が過去、秀和システムを含む3つの出版社で5冊の本を企画・共同執筆したことに触れました。そのいづれもビジネスのほとんどを過ごしたIT関連の書籍です。

2017年末VCなどの出資者との関係を精算し、会社規模を縮小したことで実質的にIT関連の事業も終了しました。その後、株主のeラーニング最大手のネットラーニング岸田 徹CEOに声をかけていただきお手伝いしていました。10か月後の2018年秋に諸事情で、2006年に創業した「学びing株式会社」ともども、さいたま市を引き払い、25歳で駆け落ちして最初に住んだ街、成田市に戻ることになりました。

それが決まった後の11月半ばに約10年ぶりに最初に出版してくれた秀和システムの平野 孝幸さんにこの本の企画をメールしました。
正直、ITでもなく趣味の世界が前面にたつ内容では、一蹴されるんだろうなあと思っていました。実際に久々にお会いしたのは12月上旬です。びっくりしたことに、企画の概要をお伝えしたところ、進める方向で内諾を得ました。この本の出版が正式決定したのは2018年12月26日。(平野 孝幸さんと直接的に編集をしてくださった大久村 佳恵さんには、心より感謝しています。)

12月上旬にお会いするまでの間、私は右目網膜剥離の緊急手術で生まれて初めて約1週間入院し、検査で見つかった左目の白内障と網膜剥離予防の手術した直後でした。

一方で、2019年1月4日の成田市への個人としての物理的な引っ越し準備や、会社の本店移転などの登記の諸手続きに忙殺されていました。そのような中、急に「The Shinkansen Watching Guided Tour」が数社から申し込みが入り、最後は大みそかまでガイドをしました。
両目が本調子でない中、体験ツアーのガイドをしながら、引っ越しを挟んで2019年1月15日まで、実質約20日間で今、この本を書き終えようとしています。

(長谷部 誠と比較するのもおこがましいですが)原稿を書き終えた今、「斉藤 常治はここまでの選手だったんだな」という事実を受け入れる2018年だったと。感じています。

大学を3年で中退して、親も離婚してこの後、まともな人生を歩めないとやけになっていた時期もありました。IPOはできなかったけど3人の男の子と初めて女の子の孫を目にすることができました。出会った沢山の人のおかげで趣味をベースにした本が書けました。
満足です。敗北主義とかではなく、人間にはその分際(身の程)があるんだとすがすがしい気持ちです。おそらく、この本が最後の企画になるかもしれないので、作者のわがままでこの場をお借りして感謝いたします。

平成の終わりの年 平成31年 2019年1月15日 成田市にて
学びing株式会社 代表取締役 斉藤 常治

 

関連記事

Translate »