天気予報はお金になるの?

6月に入ると、雨が続く梅雨の時期を迎えます。

洗濯物干しや旅行などで雨が降ってしまうと、何となく嫌な気分がしてしまうのではないでしょうか?
毎日のように雨マークが連なる天気予報を見るだけでも、どんよりとした気分になるのかもしれません。

では、このコラムを読者の方で「天気予報にお金を払っている」という方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか。
テレビや新聞だけでなく、今ではパソコンやスマートフォンでも無料で天気予報を見ることができますし、雨雲が近づいたことを知らせてくれる無料のアプリなどもあります。
もしかすると、多くの方にとって天気予報とは無料で入手できる情報なのかもしれません。

その一方、今回のコラムで取り上げる株式会社ウェザーニューズ(以下、「ウェザーニューズ」)は天気予報などを配信する気象専門の会社で、れっきとした東証一部上場企業です。
無料で手軽に天気予報が閲覧できる現代社会において、上場できるほど収益・利益を上げているウェザーニューズ。もしかすると、普通の方にとっては違和感を覚えるかもしれません。誰が天気予報にお金を払っているのか、それを有価証券報告書(有報)を見て、紐解いてみましょう。
(以下のコラムで触れる気象サービスに関する内容の中には「天気予報」らしくないものも含まれるかもしれませんが、日常的になじみのある「天気予報」という表現を使うことにします。)

ウェザーニューズの第29期(平成26年6月1日 ‐ 平成27年5月31日)の有報によれば、同期の企業グループ全体の売上高は約140億円。そして、本業の儲けを示す営業利益は約33億円もあり、非常に利益率の高いビジネスを行っていることが分かります。
「私、天気予報にお金を払った記憶なんて無い」と思う方には意外かもしれませんが、1年間でこれだけのお金が動くビジネスであることが分かります。

その内訳を【業績等の概要】でもう少し見ると、個人を相手にするBtoS市場(ウェザーニューズでは、個人相手のビジネスをS:サポーターに支えられているビジネスでBtoS市場と呼んでいるようです)の売上高が約60億円に対して、企業や法人を相手にするBtoB市場が約80億円となっています。
個人でも天気予報に対してお金を出している人がそれなりにいるのですが、過半数を占めるのが企業や法人ということになります。

では、企業は何のために天気予報にお金を出しているのでしょうか。それも有報に答えが書かれています。
企業相手のBtoB市場の売上高80億円のうち8割近く、ウェザーニューズの売上高の半分近い62億円が「交通気象」、すなわち海運や航空、鉄道などの交通に関する気象情報の売上高となっています。

考えてみれば、顧客の命と財産を預かる海運や航空業界などの交通機関にとっては、たとえ自然現象である強風や嵐であっても事故は絶対起こしてはならないものです。また、風向きや潮の流れなどで、実は燃費にも大きな差があるようです。
そのような背景を考えると、多少高いお金を払っても、より詳細な天気予報を得る価値はあるのかもしれません。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

株式会社ウェザーニューズ

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