有報で「春のパンまつり」の目的を探ってみると…

「春」といえば、お花見や入学式などのイベントを思い浮かべますが、一企業が春に実施したキャンペーンで、今となっては多くの日本人に浸透しているであろうイベントに山崎製パン株式会社(以下、「ヤマザキ」)の「春のパンまつり」があります。基本的に2月から4月に行われるということで、春が近づくとCMや店頭での広告で白いお皿とともに目にするキャンペーンです。

せっかくの春なので、ヤマザキの「春のパンまつり」がヤマザキの業績にどのような影響を与えているのかを、有価証券報告書(有報)を使って見てみましょう。

ヤマザキは12月31日が決算日であり、最新の有報は平成27年1月1日~平成27年12月31日までの第68期を対象としたものです。

この有報の【連結財務諸表等】の最後の「その他」という部分に、1年間を3か月ごとに分けた四半期情報が記載されています。
1月から12月までを3か月ごとに区切るので、第1四半期は1~3月、第2四半期は4~6月、第3四半期は7~9月、第4四半期は10~12月ということになります。

「春のパンまつり」は、文字通り、春の季節に行われます。その期間には、お皿と交換するために必要なシールを集めるため、パンが沢山売れるでしょうから、「第1四半期と第2四半期の売上高や利益が大きくなるのでは…?」という推測のもと、各四半期の売上高を調べてみましょう。

■山崎製パン株式会社 平成27年度四半期別売上高
 第1四半期(1~3月):2,504億2,600万円
 第2四半期(4~6月):2,582億2,600万円
 第3四半期(7~9月):2,507億5,000万円
 第4四半期(10~12月):2,677億9,700万円

意外なことに、「春のパンまつり」期間中である第1四半期が最も売上高の少ない四半期だということが分かりますし、裏を返せば、「春のパンまつり」がなければ第1四半期の売上高はもっと少なくなっていたかもしれないこともうかがい知ることができます。

本当の趣旨はヤマザキにしか分からないことではありますが、有報の四半期情報を見る限りでは、「春(第1四半期)の売上高の落ち込みを阻止しよう」というのが「春のパンまつり」の目的なのかもしれません。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

山崎製パン株式会社

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