乗換案内の進化の足跡

皆様、年末年始はどのようにお過ごしでしたか?

帰省や旅行、初詣に初売りなど、普段は行かない場所へと行く機会も多いこの時期、お世話になるのが乗換案内サイトではないでしょうか。

登場した当時は駅から駅までの検索しかできなかった記憶がありますが、今では飛行機やバスの時刻も検索出来たり、定期券の区間を考慮して安いルートを検索してくれたり、スマートフォンの位置情報を使って出発地を自動的に設定してくれたり、非常に便利になりました。

今回は、この乗換案内の進化の足跡を有価証券報告書(有報)で辿ってみましょう。

見ていくのは、その名もズバリ『乗換案内』という名称でWebサイトやアプリを提供しているジョルダン株式会社(以下、「ジョルダン」)の有報です。

乗換案内の心臓部は、ある地点からある地点まで決められた条件(早さを優先するか安さを優先するか、飛行機やバスを使うか否かなど)に合致する最適なルートを瞬時に導き出すプログラムです。

会計の世界では、このプログラムの構築に費やされたコストも建物や機械・設備などの固定資産と同様にみなして「ソフトウェア」という科目で計上することになっています。

最新の第37期(平成27年10月1日~平成28年9月30日)の連結貸借対照表を見ると、グループ全体で「ソフトウェア」の金額は約1億2,000万円となっています。

また、第37期の1年間で乗換案内の機能追加に要したコストは「ソフトウェア」の増加として扱われ、その金額は、有形固定資産明細表におよそ4,000万円と示されています。

過去の有報を遡れば、ジョルダンが『乗換案内』の機能追加にどれだけのコストを費やしたか、進化の足跡のようなものを辿ることができます。順に遡っていけば、第36期が約4,200万円、第35期が約8,500万円、第34期が約9,400万円…といった具合です。

これだけ見ると、『乗換案内』の機能追加にかけるコストが減っているように見えますが、話はそれほど単純ではありません。

プログラムを開発して新しいサービスを提供するまでには、様々な試行錯誤を経ているはずです。この試行錯誤、すなわち研究開発活動としてプログラムの開発に要したコストは、これまで見てきた「ソフトウェア」には含めないというのが、現在の会計の世界のルールとなっています。従って、ざっくりと言うと、これまで見てきた「ソフトウェア」の増加額というのは、仕様や条件が固まって「あとは具体化するだけ」という段階以降にかけたコストということになります。

という訳で、きちんと進化の足跡を辿るには、「ソフトウェア」の増加だけでなく、試行錯誤の研究開発活動にかけた金額も見る必要があります。この金額は、有報の【研究開発活動】という部分に記載されています。

これも、最新の第37期から順に遡ってみてみると、第37期が約4,500万円、第36期が約1,500万円、第35期が約2,000万円、第34期が約2,500万円…となっており、直近で新たな研究開発に力を入れていることがうかがえます。

今後、いったいどんな新機能で私たちの外出を便利にしてくれるのか。期待したいものです。

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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