クックパッドのレシピ1品にはいくらの価値がある?

インターネットで検索すればいろんな情報を簡単に入手できる現代ですが、その中で「料理のレシピを探す」と言ったら『クックパッド』が代名詞的な存在になっているのではないでしょうか。

『クックパッド』を運営するのは、クックパッド株式会社(以下、「クックパッド社」)という上場企業です。

今回は、クックパッド社の有価証券報告書(有報)から、クックパッドに投稿されたレシピの価値について考えてみましょう。

有報によれば、日本国内向けの累計投稿レシピ数は2015年12月末時点で227万品を超えているそうです。

このレシピを元にクックパッド社は収益を上げている訳ですから、会社にとっては重要な財産といえるでしょう。

そこで、簿記や財務分析などを学んだことがある人ならば、「企業の持つ資産(財産)は、貸借対照表を見ればいいんでしょ」と考えるかもしれません。

ですが、自社のサイトに投稿されたレシピのように、誰かから買った訳でもない無形の存在は、そんなに単純ではありません。

会計の世界では、企業が獲得したブランド力や顧客リストなどの無形の財産は、対価を支払って個別に購入したりM&Aを通じて手に入れたりしたときに限って、資産として財務諸表に載せてよいことになっています。

おそらく、クックパッドのレシピもこの考え方に基づけば、資産としては計上されてはいないでしょう。

ですが、これで話を終えてしまっては、面白くありません。

無理にでもレシピの価値を考えるために、投稿されたレシピがいくらの収益をクックパッド社にもたらしているかを通して、推測することにしてみます。

クックパッド社のレシピサービス事業のうち、実態が分からない「その他」とスーパーなどから収益を得ている「買物情報事業」を除いた2015年の1年間の収益は112億7,200万円です。

これは、有料会員からの会員費収入とクックパッドを閲覧する人に対して広告を表示したことによる広告収入ですから、クックパッドに投稿されたレシピがもたらした収益だといっていいでしょう。

なお、クックパッド社は海外にも進出しており、この数字は海外からの収益も含まれているものと考えられます。

ただ、国内のみの収益や海外のレシピ数は有報に記載がないので、このコラムではすべての収益が国内のものと仮定して計算してみましょう。

この収益を2015年末の日本国内向け累積投稿レシピ数ある227万品で割ると、1つのレシピがクックパッド社に1年間でもたらした収益は、単純計算で4,966円ということになります。

普通、レシピが1年間で使えなくなることはなく、かなり長い間、役立つはずです。ですから、これを何倍かして、収益をもたらしてくれる期間に応じた価値を付けるのが、ビジネスの世界での考え方となります。

この先の計算は、更にいろんな仮定が入ることになりますし、何倍とするか自体が各社のノウハウだったりもしますので、ここではこれ以上踏み込まないでおきましょう。

もし、皆さんが毎年4,966円を稼ぐレシピの権利を買うとしたら、いくらで買いますか?

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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