毎月のケータイ代を多く支払っているのはどの電話会社の人?

もしかしたら、今の大学生くらいの人たちには「昔は携帯電話会社を変えると、電話番号が変わってしまった」と言うと驚かれるかもしれません。

今では当たり前になったナンバーポータビリティ制度が始まったのは2006年10月、制度が始まってちょうど10年を迎えます。

あくまでも主観ですが、以前であれば携帯電話会社によって電波の入り具合が違ったり、端末も携帯電話会社によって特色あるものが多数あったりと、「どの携帯電話会社にするのか」を選ぶ要素が多数あったように感じます。

ですが、今となっては日本中のたいていの場所で携帯電話の電波は入りますし、スマートフォン全盛の時代のせいか、携帯電話会社間での端末の特色というのも以前に比べて薄くなったのかもしれません。

そうなると、携帯電話会社を選択する際の決め手として「毎月の電話料金」のウェイトが大きくなるのではないでしょうか。

という訳で、今回のこのコラムでは、各携帯電話会社の最新の有価証券報告書(有報)を見ながら、ユーザーが支払う電話料金について考えてみることにしましょう。

今回見ていく有報は、株式会社NTTドコモ(以下、「ドコモ」)とauブランドを運営する株式会社KDDI(以下、「KDDI」)、そしてソフトバンクブランドを運営するソフトバンクグループ株式会社(以下、「ソフトバンク」)の3社の有報です。

3社ともに決算日が3月31日なので、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの期間を対象とした各社の有報を見てみましょう。

有報は主に投資家が見るものです。投資家にとっては利益の額はもちろんですが、その前提となる情報も知りたいという要望があるため、有報にはそれに応えるような情報が多数載っています。

1人が1台は当たり前、人によっては複数の携帯電話を持つようになった今、各携帯電話会社は他社からユーザーを獲得することに必死です。

そのように考えると、お客さんが1人増える(または減る)といくらの増収(または減収)になるのかという情報も、今後の業績を判断するのに重要な指標となります。

そこで、各社の有報ともに【業績等の概要】を見ると、各社ともに1人(1契約)当たりの平均月間収入であるARPU(Average monthly Revenue Per Unit)を開示しています(KDDIのみ「ARPA」と表記していますが、基本的には同じ内容です)。

これを比べたものが以下のデータです。

【携帯電話会社3社の1人当たり平均月間収入】
 ドコモ:4,170円  KDDI:5,690円  ソフトバンク:4,150円
※各社の平成28年3月期の有報を参照。通信サービスのみを対象とし、付加サービス分は除外。

携帯電話会社の平均月間収入は、裏を返すとユーザーが毎月支払っている電話料金の平均に契約者数を掛けたものということになります。

有報を見る限り、ドコモとソフトバンクはほぼ同じ、auのKDDIだけが1,400円ほど高くなっています。

ただ、あくまでもこの数値は単純な平均値です。電話料金が比較的安いといわれる「ガラケー」ユーザーや、ヘビーユーザーの割合を完全に無視していますので、もしかしたらKDDIのauは「ヘビーユーザーにとって良い会社」なのかもしれません。

大切なのはご自身の使用状況に合わせた料金プランや携帯電話会社を選ぶことだと思いますが、その料金が妥当なのか、契約している携帯電話会社の有報を見て考えてみると、違った見方ができるでしょう。

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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